岩壁に添うような形や岩の上などに建てられた懸造り(かけづくり・崖造り)の建物はインパクトがあり、一度見ると忘れられません。
懸造りの例としては、京都市にある清水寺本堂「清水の舞台」が挙げられます。
しかし、会津美里町にある左下り観音は上記とは異なったインパクトがあるということで、2017年11月5日に訪れてみました。
会津若松市・会津美里町から、下郷町大内宿へと向かう県道23号線を県道131号線「大内宿こぶしライン」に進まずそのまま南下、2kmほど進んだところに、左下り観音の駐車場があります。
ここからさらに車道を進み、上の駐車場にも駐車スペースがありますが、車両同士のすれ違いが厳しいほか、急傾斜の道となっているため、こちらの駐車場から歩いて参拝することをお勧めします。(約1km徒歩20分ほどとの事)
山の中腹の駐車場へ着くと案内処と書かれたプレハブ小屋があります。
しかし、ひと気は無い様子。
ネットで調べてみると、御朱印を集めている方は、近くの集落を訪れていただく必要があるようですね。
ここからさらに上へと登って行きますが、階段がある場所が少し急な印象があるだけで、思ったよりも近く感じました。(個人的な感想です)
階段から少し登り、左へ曲がると木立ちの向こうに観音堂が顔を覗かせます。
四尺八寸の三層閣、全高四丈八尺(約14.5メートル)で、お堂全体の3分の2が懸造りという外観に、まず足を止めて見入ってしまいます。
お堂を左から回り込み正面に向かうと、格子戸の向こうにご本尊の聖観音が祀られています。
お堂の内部も観覧できるようになっていますが、古い建物のため不安があるかたは無理をしないほうが良いでしょう。
左手奥には無頸(くびなし)観音が安置されており、
右手には長さ五間(約9メートル)の廊下が続き、会津盆地の眺望を楽しむことができます。
…が、実際のところ、床板のミシミシと軋む音と木札が風に揺れカタカタと鳴る音には恐怖感を煽られ、「ゆっくりと」まではいきませんでした。(^^;
三層閣ということで、奥には小さな階段がありお堂の中を回遊できるのも特徴のひとつでしょう。
懸造りの構造を間近に見ることができます。
建長7年(830年)建立、延文3年(1358)に修復されたと伝えられている県重要文化財の左下り観音には、連休中ということもあり、次々と多くの方が訪れていました。
また、福島県内には他にも、田村市の磯前神社 – 田村市やいわき市の専称寺 鐘楼堂(H33まで改修中)も懸造りとなっているので、懸造りの建物巡りにも興味が湧いてくる出会いとなりましたね。
ホームページ:左下り観音 – 会津美里町役場 ,
日本遺産「会津の三十三観音めぐり」 ,歴史回廊あいづ(建築)<左下り観音堂> – 福島県ホームページ
日本遺産 会津の三十三観音めぐり 地図
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