起源は江戸時代末期に初節句のお祝いとして飾られたことが始まりと言われる「つるし雛」。
地方により、「つるし飾り」や「さげもん」、「傘福」といった呼び名があるそうですが、ここ10~20年ほど前から全国的なブームとなり、福島県内でも、桃の節句が近づいてくると各地でひなまつり(つるし雛)イベントが開催されます。
福島県の商業まちづくり課では、歩いて暮らせるまちづくり にぎわい創出の取り組みとして、毎年、ひなめぐり~ひなを愛でる旅~(ひなまつりめぐり)を案内しています。
県内のつるし飾りには、いわき市「つるしもの」や郡山市湖南町「カサボコ」という古くから伝わるものもあるそうですが、その中でも、町をあげてつるし雛まつりを開催している福島市飯野町「飯野つるし雛まつり」は、開始から今年で11回を数えるイベントとなり、福島県内を代表するつるし雛イベントのひとつなのではないでしょうか。
また、今年度は福島市で開催された「ふくしまPR動画コンテスト2017 」において、いいのコミュニティネットワークが制作した「花も実も「雛」もある福島市。」がグランプリを受賞するなど、より注目度が上がるニュースもありました。
PR動画によると、機織りが盛んだった飯野町の家々のタンスには、古い着物が多く残っており、その古布を再利用しようと「つるし雛」を作ったことが始まりとされているそう。
何度か訪れている「飯野つるし雛まつり」ですが、改めて見てみたくなり、2018年3月4日のイベント最終日に約90分(予定もあったので、本当は1時間のつもりがつい長居…)の強行スケジュールで見学してきました。(ちなみに前回は約4時間居ました)
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今年もメイン会場となる「飯野学習センター」には、多くのつるし雛が飾られています。
また、古布の再利用ということで、吊るされていない「おかざり」(ちりめん細工)も数多く並んでいますね。
おかざりで描かれる顔はどれも愛らしさがあり、お地蔵様の顔も楽しそうです。
毎年、干支のお飾りも多く並びますが、今年は、戌年ということで、お犬様がどーん。
三春張子を想い起させるデザイン以外にも、ぬいぐるみのような犬も可愛いらしいですね。
飯野町内42ヵ所の店舗、施設等で展示されている「つるし雛」ですが、お店ごとに異なったディスプレイも楽しみのひとつ。
あれ?パン屋さん、商店街出店、柿、だいこん…と食べ物ばかりになってしまいました…。(実はその他の軒先のつるし雛写真はフォトコンに応募♪)
そうそう、そばやうどん、たこ焼きなどの出店のほか、商店街には、和菓子屋さんやパン屋さん、お食事処の店舗もあるので、お腹が空いても安心して、ゆっくり見て回ることができますよ。
また、軒先だけでなく、お店の中に飾るといった非日常的な雰囲気も個人的には楽しいですね。
見て回っていると、つるし雛にも幾つかのスタイルがあるのがみえてきます。
まず、雛段の前に飾られるつるし飾り。
そして、傘を使い、円状に吊るされているつるし飾り。
この傘を使ったつるし飾りは、山形県酒田市の「傘福」がモチーフで、酒田まつり(旧山王祭り)の山車に建てられた亀鉾が原型と言われているそうです。
(郡山市湖南町や猪苗代町のカサボコのルーツとも言われています。)
上記に加え、飯野町オリジナル?の様々なおかざりや児童が制作したおかざり作品も彩りを加えています。
昨年第10回には、マスコットキャラつるし雛の妖精「ひなぽん」も誕生し、会場を飛び回っていました。
妖精だけに、純粋な心をお持ちの方にだけ見えるそう。(嘘ですwww)
このイベントのサブタイトルは、「つるし雛で心を繋ぎ、元気発信」。
会場内では、私のようにカメラを持って歩く方だけでなく、つるし雛制作についての話で盛り上がる方たちもたくさん居り、見るだけでなく作ってみたい方たちの新しい一歩にもなっているようですね。
飯野つるし雛まつり イベント情報
開催日時 | 2018年2月17日(土)~3月4日(日) 飯野つるし雛まつり – ふくつぶイベント情報 |
開催場所 | 飯野学習センターほか 飯野町参加店舗等 |
交通・駐車場 | 福島駅東口から飯野町行きバスで約40分 国道114号線からUFOの里手前県道40号線を飯野町方面へ 飯野学習センター駐車場・福島市役所飯野支所駐車場など |
見どころ | 街中、様々なお店で各店個性豊かに繰り広げられるつるし雛まつり |
その他 | 飯野つるし雛まつり臨時バスやバスツアーも有り |
その他 飯野商店街のイベント | 2017.7 UFOストリート歩行者天国 |
ホームページ | 飯野つるし雛まつり |
地図
この情報は編集時の情報です。内容によっては現在と異なる場合がございます。予めご了承ください。
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