かつて、有力な藩主が統治する領地も多く存在した福島県。
その藩主たちにより、松平定信公 日本最古の庭園 史跡・名勝「南湖公園」をはじめ、会津松平氏庭園「御薬園」など、多くの庭園や公園が造営されました。
また、江戸時代の中期に商人が営み栽培が始まった名勝「須賀川牡丹園」も存在するなど、庭園や公園にはそれぞれの歴史があり、福島県を観光するうえで欠かせない要素のひとつとなっています。
今回訪れたのは、いわき市内郷の白水阿弥陀堂。
紅葉ライトアップに訪れてから、再訪を願いつつも時間が経過してしまいましたが、その分、色んな情報を整理することができたように思います。
東北地方に現存する平安時代の建築物は、中尊寺金色堂(岩手県平泉市)・高蔵寺阿弥陀堂(宮城県角田市)・白水阿弥陀堂(福島県)の3つが挙げられますが、
1つめの中尊寺金色堂は、奥州藤原氏初代清衡公によって上棟され、
2つめの高蔵寺阿弥陀堂は、磐梯町の慧日寺を開基した徳一が創建したと伝えられ、
そして3つめの白水阿弥陀堂は、藤原清衛の娘・徳尼(徳姫)が平安時代後期に中尊寺金色堂にならって建立されたと伝えられています。
奥州藤原氏は、国見町の阿津賀志山防塁とも縁があるので、こうした人の繋がりや動きを追っていくのも面白いですね。
さて、話を白水阿弥陀堂に戻すと、第2次世界大戦後、白水阿弥陀堂に浄土式庭園が存在したことが判明し、1968年度から1993年度まで白水阿弥陀堂境域復元整備事業により庭園整備が行われたそう。
(いわき市役所ホームページ より参照)
浄土式庭園は、極楽浄土を再現し、往生を願うために造られたものですが、極楽浄土というと、どんな風景を思い浮かべるでしょうか。
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ここで、ようやく今回の本題へと入ります。
整備された庭園は、池と御堂の間の橋を渡り極楽浄土へ辿りつくようになっています。
また、洲浜(すはま)という場所は海岸線を現わしているそうですが、
初夏のこの季節には、
古代ハスが花を咲かせているのです。
江戸時代にはたくさんのハスが咲き、蓮の御堂と呼ばれていたという記録もあるほか、
(日本観光振興協会ホームページ より参照)
古代ハスのなかには、中尊寺金色堂から出土した種を育て2001年に株分けされた中尊寺ハスもあるそうです。
(福島県 – 福島県観光ガイドブック より参照)
見ごろの時期は、7月中旬~8月中旬となっていますが、ハスの花は昼ごろには花を閉じてしまうそうなので、早めの時間に訪れて楽しみたいですね。
また、奥州藤原氏と縁のある国見町阿津賀志山防塁近くの中尊寺蓮池にも中尊寺ハスが花を咲かせていますよ。
例年10月下旬~11月下旬には、経塚山を借景とした紅葉も楽しめるので、季節ごとに訪れるのも良いですね。
今回は、蓮の花を通して、数百年の時の流れを感じてみるのでした。
※歴史考察については諸説あるようです。
当記事は、国宝 白水阿弥陀堂 、いわき市役所ホームページ を参照し記載しております。
いわき市 白水阿弥陀堂の古代ハス スポット情報
見ごろ時期 | 7月中旬~8月中旬(古代ハス) |
住所 | 福島県いわき市内郷白水町広畑221 |
交通・駐車場 | いわき市街地より県道20号線を通り内郷方面へ。 一の坪交差点を常磐線方面へ進み、白水阿弥陀堂の案内板に従って進んでください。 川を渡ると、白水阿弥陀堂観光駐車場あり。 |
料金 | 庭園観覧無料 白水阿弥陀堂拝観料:大人500円、小人(小学生のみ)300円、未就学児無料 拝観時間:4月~10月 8:30~16:00 11月~3月 8:30~15:30 ※拝観受付は閉門15分前まで (毎月第4水曜日拝観休寺日ほか、2/3、8/5・6、12~16、24、12/20~31、春分・秋分の日などにも休寺日有) |
見どころ | 浄土式庭園の景色を彩る蓮の花 |
関連イベント | 2019年8月13日~15日 いわき回転やぐら盆踊大会 【2020年中止】 2019年11月2日~10日 夜間特別拝観 2019年12月31日~2020年1月1日 白水の四季まつり 新春の輝き祭 |
ホームページ | 国宝 白水阿弥陀堂 いわき観光まちづくりビューロー |
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