福島県の方言では、牛をベコと呼び、会津地方の郷土玩具として有名な赤べこは、民芸品としてだけではなく、マスコットや地域のシンボルとしても、普段の生活の中に存在しています。
いよいよカウントダウンも近づいた2021年(令和3年)の干支丑年が近づくにつれ、会津の守り神としても重用されている赤べこパワーが一層増しているように感じ、
会津地方では、どのように愛着を持たれた存在なのか、そしてどんな愛情表現をされているのか、調査してみることにしました。
もくじ
もっと知ってふくしま!
2019年に6秒の福島県紹介ショートムービー「もっと 知って ふくしま!」が公開されましたが、その中でも赤べこは単独ムービーで紹介されるほど、福島県内でも親しみある存在です。
また、ベコ太郎というキャラクターが好評で、その起源は2017年福島県総合情報誌ふくしままっぷ にナビゲーターとして初登場したことからだそう。
ゆったりしたキャラクターで多くの方の興味を惹いてくれていますね。
そして肝心の赤べこの由来というと…、
赤べこ伝説
赤べこの由来は諸説あるそうですが、
- 赤毛の牛の群れが虚空藏堂再建の際の木材運搬を助けた
赤べこ伝説発祥の地 会津やないづ – 柳津観光協会 - 平安時代、蔓延した疫病を払った赤い牛
赤ベコ – 福島県伝統的工芸品
という2説が有力となっているようです。
このことから、赤べこは福を運んだり、厄除けとして信仰されているのです。
赤べこ発祥の地
その中で、柳津町の福満虚空藏菩薩圓藏寺は赤べこ発祥の地として、町を挙げて赤べこ認知拡大に取り組んでいることから、町中のあちらこちらで赤べこを見つけることができます。
つい先日(2020年7月)にも、柳津町役場前に大きなモニュメントが誕生しました。
比較物がないため、大きさが伝わりにくいのですが、柳津町ホームページ柳津町のいま に設置前の貴重な写真が掲載されていたので、ぜひご覧ください。
この大型モニュメントは赤べこ発祥の地としてはもちろん、新型コロナウイルスの早期収束も願って設置されたそう。
現段階で、今年の開催可否は公表されていませんが、例年10月には会津やないづ赤べこまつり が開催され、赤べこ伝説を倣った全国赤べこ丸太引き選手権大会なども行なわれています。
また最近では、柳津町地域おこし協力隊 の方が赤べこお兄さんに扮して赤べこ発祥の地のPRに奔走しているそうですが、実は柳津町に設置してある赤べこには、家族が存在することをご存知でしたでしょうか。
やないづ赤べこファミリー
先ほどの紹介した赤べこ伝説発祥の地 会津やないづ – 柳津観光協会 ページにも記載されているのですが、やないづ赤べこ親子として、お父さん、お母さん、息子、娘の4頭が柳津町の道の駅や観光スポットで待っているそう。
基本的に、
- お父さん「福太郎」きよひめ公園
- お母さん「満子」圓藏寺境内
- 息子「もうくん」ほっとinやないづ
- 娘「あいちゃん」道の駅会津柳津
- 男の子の赤ちゃん「やなぎまる」
にいることが多いようですが、冬の時期や行事等で、ごくまれに移動していることもあるようなので、その際はあしからずご了承ください。
※2021年4月に新しい仲間が加わりました 赤べこファミリーに新しい仲間が登場! – 柳津町
※赤べこファミリーの設置場所については記載時の情報となります
2021.8.24追記
そして、丑年を迎える2021年(令和3年)から2年間、柳津町では12年に一度の丑寅まつり が開催されます。
ここでは、赤べこだけでなく、前回(2009年)の丑寅まつりで福満虚空藏菩薩圓藏寺の守り本尊、丑と寅から誕生したうとちゃん(柳津町観光協会)とうとこちゃんの活躍も楽しみですね。
また会津の守り神として、赤べこは、柳津町以外の会津地域でも信仰されています。
赤ベコ公園
赤べこ発祥の地として柳津町の赤べこを紹介しましたが、そこは会津の守り神赤べこ。
会津地域の中心部、会津若松市にも数多く存在します。
- 会津若松駅
- 会津町方伝承館
- 会津まつり協会
- あかべこカフェ(河内屋)
- 鶴ヶ城観光案内所
- 会津若松市役所本庁舎 正面玄関
会津若松駅前の赤べこは、赤いボタンを押すと歌いだすというウワサ♪
会津の玄関口ともいえる会津若松駅の赤べこはSNS等にもよくアップされています。
そのほか、会津若松市市街地の大町や、蔵が建ち並ぶ七日町、鶴ヶ城と気がついたら見かけていたことがあるかもしれませんね。
※大きい”赤べこ”に会いに行こう!! – 会津若松観光ビューロー 参照
また、会津若松市 でも赤べこの伝説にあやかり、会津若松市役所本庁舎正面玄関前に新型コロナウイルス感染症の早期終息を祈願し赤べこを設置。
2020年4月22日(水)~当面の間、平日(月曜日~金曜日)8:30~17:15まで見ることができます。
猪苗代町の野口英世記念館 にも3月末までの期間限定で大きな赤べこが展示中だそうですよ。
※2021.1.30追記
そして、会津若松市の赤べこで外せないのが、赤ベコ公園。
ベコは人間より大きいので、リアルに赤べこと戯れるとなると、この赤べこ滑り台は理想的なサイズです。
ちょっと形は異なりますが、会津若松観光ビューロー のキャラクターあかべぇがデザインされた、会津バスのまちなか周遊バス あかべぇもありますね♪
しかし、郷土玩具としての赤べこも、もちろん外せません。
伝統的工芸品
我が家にも気がつくと、首振りする赤べこの張り子が3体ほど神棚に鎮座しているのですが、
NHK大河ドラマ「八重の桜」主人公の新島八重をモデルにした赤べこハンサムブロッサムを制作した、野沢民芸 が代表的な工房として挙げられるのではないでしょうか。
野沢民芸は西会津町にあり、道の駅にしあいづの入り口には、狛犬に代わって狛牛のような赤べこ像が祀られています。
また、西会津町にはご当地ヒーロー丞神デナー が存在し、
誰もが赤べこの形をしたベナーとフュージョンすることで丞神デナーに変身。
どんな困難にも立ち向かえるヒーローになれるそうです。
撫で牛
そんなベコは、菅原道真公の「神使」として、全国の天満宮で撫で牛となり、みんなの願いを叶えています。
撫で牛は、丑・寅の守り本尊 虚空蔵菩薩を御祀りしている寺院にもあり、その中で柳津町圓藏寺境内の歴史を感じる撫牛像は、赤べこの由来となっている撫で牛と言われています。
赤べこグッズ
ベコが神使となった一方、赤べこは神獣化してしまいました。
道の駅などにもガチャが設置してありますが、神獣ベコたち ・神獣ベコたち 東の神々編は人気で、なかなか出会えませんね。
2020年12月より、神獣ベコたち 改 2021年7月より、神獣ベコたち 百花繚乱編 が追加されました。※2021.1、2021.8追記
しかし会津地方には、たくさんの赤べこグッズがあります。
個人的に気になった赤べこグッズをピックアップしてみました。
また、東京都で毎年行われている福島フェス をきっかけに制作されたWEEKENDSTITCH の赤べこも素敵ですね。
2020年5月~9月に会津美術協会 が主催して行われた会津若松市発信ろう城アート展 では、ペーパークラフト赤べこも公開され、手づくりの赤べこが楽しめるほか、赤べこ絵付け体験も多くの場所で体験できるので、赤べこMAP にピックアップして掲載しておきました。
赤べこMAP
こうして改めて赤べこについて調べてみると、赤べこ人気は確実に広がっているようです。
赤べこパワーがどんどん上がっていく丑年に向けて、福を運んだり、厄除けするパワーも発揮されていくでしょうね。
福島県の伝統的工芸品
このように、様々な赤べこに親しんでいる福島県内には、こけしやだるま、張子など多くの工芸品もあります。
赤べこを通して、その他の福島県伝統的工芸品にもご興味を持っていただけたら、幸いです。
この情報は編集時の情報です。内容によっては現在と異なる場合がございます。予めご了承ください。
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